大正13年に創業した、東大阪市の印判店では、新たな分野への挑戦を試みています。
昔は、印判店もたくさんあり、伝統の手彫り・手作りにこだわり、品位・風格のある印鑑作りを心掛けていれば売上高を確保できていました。
しかし、入力するだけで簡単に印判が製造できるコンピューター彫刻装置の普及につれて安値の印鑑が氾濫する中で、廃業される店が増えてきました。また、企業がパソコン会計を採用するとともに、会計科目印などのゴム印の需要が減り、売れなくなってきました。
そこで、既存事業の見直しと新規事業による業績の回復に挑戦しています。
知恵と努力によって新局面を開拓
この印判店では、娘さんがデザイン担当で、若い感覚を生かした「女性向けのおしゃれなスタンプの創作」および販路開拓事業にとりくみ始めました。これまでのように、お店でじっと注文を待つだけではなく、創作した「おしゃれなスタンプ」のサンプルを持って、新規の小売店(雑貨店、写真店等)を訪問して、提案型営業にいそしんでいます。
さらに、インターネットを活用した、無店舗販売で商品供給するほか、個別の名入れにも対応できるオーダーシステムの構築をめざしています。
また知財戦略を重視し、創作した作品を保護するための、著作権、意匠権、不正競争防止法などによる競争力を高めるための措置も講じつつあります。
知的資産の活用さらに
知的資産とは、人材、技術、知的財産(特許・ブランドなど)、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなどの財務諸表に表れてこない目に見えにくい経営資源の総称です。
あたなのお店にも気がついていない「強み」(知的財産)があるはずです。この「知的財産」に注目して、活用することで業績の向上に結びつけることが「知的資産経営」です。
コストをかけなくても、視点を変えて身の回りにある「知的資産(見えざる資産)」を活用して競争力を向上させませんか。
どう活用するかは「中小企業のための知的資産経営マニュアル」に掲載されています。
2007/7/30 商工新聞 中小企業診断士 関浦照隆
差違指向は高額でもほしいが、同調指向は安くていいのだろう!
小規模事業者の場合は、少量生産の人のぬくもりが感じられる商品・接待・宣伝で勝負する方が得策だそうである。
「ほかにはないよ!」「この商品は、どこどこのだれそれが・・・」という、特別なものをアピールして消費者心理に訴えよう!
同調指向で勝負する場合は、価格勝負でなくサービス勝負で!
人間誰しも「楽して願いがかなう」事を思うが、人生そんなことは滅多にない!
「人生・商売」苦労の連続のなかで、人間・経営者として成長するかである。
民商では多くの相談者が舞い込むが、時代劇のように相談者本人に変わって、私らがチャンバラをしない。
相談者本人が壁を乗り越え成長しなければ、意味がないからである。アメリカでは失敗した人の方が信用されている。
国民生活金融公庫の統計でも、経営を失敗した経験のある人の方が成功例が多いのである。人やお客さんの意見を謙虚に聞き、焦らず、前向きに、そして楽しく大好きな商売をしよう!
事業主であれば「売上」や「利益」などの数字と日々追われている資金繰りとはまったく別物と常々実感されているでしょう。
※売上増でも資金繰りは改善されず
売上増に伴い仕入や人件費などの費用も増大します。特に仕入の費用は、売上発生前に必要な資金であり、毎月が増加傾向の場合、それに応じて仕入に必要な資金も増大します。売上が増大している局面では、それを支える費用も増大することも常に念頭に置いた資金管理が必要です。
※「掛け」や「手形」は資金管理が複雑に
また「月末締め、翌月未払」などの「掛け取引」の場合、実際の取引と資金の出入りとの間に時間的な隔たりが生じ、資金管理が複雑になり注意が必要です。また日本特有の商慣行である「手形取引」の場合、資金の流れをさらに複雑にし、リスクも増大しますから(できれば使わない方がよい)、厳密な資金管理が必要です。
自分の会社や事業の会計記帳を会計事務所などに依頼している場合も少なくありませんが、個人事業や小規模法人の場合、経営者自らが資金繰り表を作って資金管理をおこなうことが大切です。
※「回収は早く、支払は遅く」が基本
資金繰りを改善するための具体的な手立ては多くありません。「借入しかない」と判断する前に、改めて検討すべきことは資金の「出」と「入」のタイミングに無理や矛盾をなくすこと。基本は「回収は早く、支払は遅く」です。
「月々の数字は悪くないにのに、いつも資金繰りが大変」と悩んでいたある建設業者は、取引先と交渉して「月末締め、翌々月7日払い」という条件を「月末締め、翌月未払」に改善し、「資金繰りがすごく楽になった」と喜んでいますが、こうした努力も経営者の大切な仕事です。
2007/1/29付商工新聞 K&K経営労務コンサルティング 金井育生)
江戸時代の儒学者、安井息軒は「1日の計は朝にあり。一生の計は少壮の時にあり」という言葉を残しました。「計」とは、計画のことですが、計画を立てるには明確な目標を立てることが必要です。
つまり、来年の「自分の姿」を思い浮かべることから始めましょう。そうすれば、「何をやりたいか」という目標がハッキリします。さらに、目標に到達するために、現在不足している知識や技能を身につけようと努力することで成長することができます。
例えば、普段は、朝起きが苦手な人でも、趣味の釣りやゴルフへいくときには、夜明け前には目が覚めるといういうことは、よくあることです。このように、目標を決めて実現しようと努力することが、成功への道となります。
1年先の目標をめざして日々の実践を
1年を細かく分けると12ヶ月、52週で365日です。大きな目標を達成するには、大きな目標のままで挑戦すると、なかなか全体像がみえないので、細かい単位に分割します。そして週単位や日単位の目標に置き換えて克服します。この積み重ねが、やがて1年の目標の達成に結実するのです。日々の実践は、この連続した「目標を達成」する過程の構成要素として大切です。
すぐできることは、一年の目標を定め、これを月、週、日に細分化して、実践できる具体的な目標を定めた計画をたてることです。
「事業計画の立案」・・すぐ実践できることから
立派すぎてできない計画をたてるよりも、簡素でも、すぐできる計画を立てることが大切です。実践していく中で、さらにハードルを上げることによって、高い目標に挑戦できるようになります。第1に、「自店にしかない独自の技術やサービス」を見直しましょう。その中から、新しい取り組みが考え出せます。第2に「新しい分野への販路開拓」を始めましょう。既存の事業でない、新しい分野への第一歩を踏み出しましょう。目標を立て、変化を起こしましょう。
1/22付商工新聞より 中小企業診断士 関浦照隆